テニスラケットの定理
テニスラケットの定理あるいは中間軸の定理は、物体を放り投げるなどして、自由に回転させたとき、複雑な回転になる場合の理論です。
摩擦や重力を考えないときに、モノを動かす時の動かしにくさの程度を表す量が質量であるなら、 モノを回転させるときの回転のしにくさを表すものが慣性モーメントテンソルと呼ばれるものです。 テンソルというところが分かりにくいのですが、モノはいろいろな方向に回転させることができて、 その方向によって回転のしにくさが、違うので、テンソルになります。
慣性モーメントテンソルは、対称テンソルなので、スペクトル分解ができます。慣性モーメントテンソルを\(\mathbf{I}\) として、 $$ \mathbf{I}=I_1\mathbf{u}_1\mathbf{u}_1+I_2\mathbf{u}_2\mathbf{u}_2+I_3\mathbf{u}_3\mathbf{u}_3$$
と展開します。ここで\(I_1,I_2,I_3\)は慣性モーメントテンソルの固有値で、\(I_1>I_2>I_2\)とします。 \( \mathbf{u}_1,\mathbf{u}_2,\mathbf{u}_3 \)は、それぞれに対応する固有ベクトルです。このうち、慣性モーメントテンソルの3つの固有値のうち、中間の値\(I_2\)に対応する固有ベクトル\( \mathbf{u}_2 \)の 周りで回転させると複雑な回転になります。これがテニスラケットの定理と呼ばれるものです。
以下、テニスラケットのデータ(https://www.thingiverse.com/thing:17704 )を使ってシミュレーションしました。
\( \mathbf{u}_1 \)の周りで回転。
\( \mathbf{u}_2 \)の周りで回転。
\( \mathbf{u}_3 \)の周りで回転。
特にテニスラケットでなくても、慣性モーメントの固有値に関しての理論ですので、別の形状でも確認できます。
テニスラケットの定理に関連して、物体の自由回転に関しては厳密解あります。オイラーのコマの厳密解と呼ぶのでしょうか。 あまり知られていないと、いうか、たぶん以下のpdfのようでよいと思います。(確認しようと思いつつ、いつまでも、できていません) 厳密解